アノテーションの意味は本来は「注釈」です。ただ、ITの業界では複数の意味になります。IT用語としては特にデータ入力を行うときのプログラミングに注意書きを追加する機能があります。対象のドキュメントの印刷をする時に、余白などに文字を追加するという機能もあります。さらには、YouTubeやニコニコ動画などの動画サイトで視聴者がコメントを追加する機能もその一例といえるでしょう。 AI学習においても、最近ではアノテーションが導入されてきています。例えば、画像中の人の顔部分に枠を付けておいて目鼻口の位置をポインティングする希望や口コミ文のうちポジティブな評価とネガティブな評価なといったラベル付けや5段階評価などのランク付けを行うのもその機能の一つです。 データに意味を付けるのが、アノテーションのプロセスといえます。その必要性についてですが、単にネットを利用して知識を覚えるというだけではなく楽しんだり参加したり、意志を共有したりする際に必要不可欠な存在です。いわばアノテーションとは、データに生命を吹き込む作業といっても何の不思議もありません。 プログラマーにとっては現在のところアノテーションは基本的にはつらい作業となります。やってみると思ってもみなかった発見や気づき・考察事項をたくさん得られるため、開発者自身で行うことはとても有意義なのですが集中力を要するためとりかかってすぐにできるようなものではありません。多くの時間と人件費がかかってしまうことがネックです。 ただ、アノテーションは現在盛んにコンピューターの時代で研究されている分野でありたくさんの論文があります。そして以前はプログラマーによる手動のアノテーションで行っていましたが、最近ではAIと呼ばれる機械学習によって機械学習を強化する時代にもなってきています。今後は、AIの精度を日々向上させることでより便利で役に立つアノテーションツールが出てくることが期待されています。