2025.8.9

経験したことのない場所へ、自分の意思で。

――水泳体験会@日環アリーナレポート(2025年8月3日)

“本気になれる体験を届けたい”――


ミンナのミカタグループが大切にしているのは、障がいの有無に関わらず、すべての人が「自分の意志で挑戦する機会」を持てる社会をつくること。

今回の水泳体験会は、まさにそのきっかけを届けるために企画されました。


先日、ミンナ(※1)と一緒に、栃木県の日環アリーナで水泳体験会を実施しました。

今回のチャレンジの舞台は、50mの本格的なプール。

講師には、パラトライアスロン日本代表でありCAF(Challenged Athletes Foundation)代表の木村潤平さんをお迎えし、普段の生活ではなかなか得られない「特別ではなく本物の体験」に全員で臨みました。

さらに今回は、栃木介護福祉専門学校の学生ボランティア4名も参加。

“支援する側・される側”という立場を越えて、「ともに体験をつくる仲間」として関わっていただいたことで、現場には一層の熱量とリアリティが生まれました。

※1:ミンナのミカタグループでは、障がいのある方々を「ミンナ」と呼んでいます。「ミンナには可能性がある」「ミンナで社会をつくっていく」――そんな思いを込めた言葉です。

日環アリーナ栃木

「水に入るのは小学生ぶり」「大きなプールなんて初めて」――そんな言葉も聞こえてくるなかで、その一歩を自ら選んで踏み出した姿に、何度も胸を打たれました。


1.普段の延長線では得られない、体験のスケール感

屋内水泳場(引用元:日環アリーナHP)

会場に入った瞬間、ミンナの目は自然とプールに吸い寄せられていきました。


見上げるような天井、透明な水面、50mという距離。そのスケールに圧倒されたのか、「本当にここで泳ぐの?」と、驚いたように声をもらす姿も。


でも、一歩ずつ進むにつれて、表情がほどけていくのが分かりました。


準備体操をし、シャワーを浴び、水に足を入れる。そのたびに、「やってみようかな」「楽しそう」という気持ちが少しずつ顔を出してくる。中には、はしゃぐようにバタ足をする子、ゴーグルを何度もつけ直しながら「楽しい!」と声をあげる子も。


途中で足をつきながらも、仲間の応援を受けて25mを泳ぎきった瞬間には、プールサイドから自然と拍手が沸き起こりました。

2.見たことのない集中力が、立ち上がる。

「水はちょっと苦手かも」――そう話していた子が、木村さんの声かけをきっかけに、水に顔をつけ、何度もチャレンジを重ねました。


最初は控えめだったバタ足も、時間が経つにつれ、だんだんと力強く、真剣な眼差しに変わっていく。

声に応えるように、何度も繰り返しトライする姿には、“本気で向き合っている”という集中がにじんでいました。

麻痺のある子も、「泳ぐのは久しぶりで不安」と話していましたが、丁寧なサポートを受けながら、自分の意志で泳ぎきったときの表情は、自信と達成感に満ちていました。

本人が「やってみたい」と自ら決めたことに対して、本気で向き合う。


その覚悟が、姿勢にも動きにも、そして言葉の端々にも表れていた――そんな一場面がいくつも生まれました。


3.栃木介護福祉専門学校の学生たちとともに

栃木介護福祉専門学校とCAFの皆さん

今回参加してくれたのは、栃木介護福祉専門学校の学生4名。

学校の掲示板には多くのボランティア募集チラシが貼られているそうですが、障がい者スポーツのボランティアは珍しく、「ぜひやってみたい」と興味を持ってくれたそうです。


参加理由はさまざまでした。水泳が好きという理由で来てくれた学生、自分自身に軽度の障がいがあり、「同じような方が現場でどのように過ごしているかを見てみたい」と語ってくれた学生も。


また、高齢者介護を学ぶ中で、「やっぱり自分は障がいのある方と関わる仕事がしたい」と思い直した学生もいました。

どの方も、利用者との距離感がとても自然で、観察力と対応力に優れていました。

こちらの指示に対しても即座に行動してくださり、スタッフとしても本当に助けられました。

また、イベント後には、フリートークの場を設けさせて頂き、我々の取り組んでいる内容や福祉学校の皆様の状況について会話をさせて頂き、皆さんが真剣な表情で耳を傾けてくれました。

障がいのある方の“体験の機会”が、家族や支援者の「難しいかも」「危ないかも」という思いで制限されることがある――そんなリアルな実態をお話させて頂いたときには、「リアルな現状を他の学生にもぜひ伝えたい」という声が上がりました。

「こういうボランティア、もっと増えるべきだと思います」

「体験から得たことは、本当に大きかったです」

そんな率直で温かい言葉が次々と寄せられ、その一つひとつが私たちにとって大きな希望となりました。


4.誰もが“挑戦できる”社会へ

イベント後の一枚

今回の参加者全員で集合写真

今回の体験を通じて改めて感じたのは、「できない」のではなく、「やったことがないだけ」かもしれない、ということ。


そして、その“不安”や“初めて”を超えるために必要なのは、誰かが用意する「安心」と、「信じて待ってくれるまなざし」なのだということ。

“できた”という経験が、人の言葉を変え、行動を変え、未来への選択肢を増やしていく――その変化の瞬間を、私たちは何度も目にしてきました。そして、体験を終えたミンナの口から自然と出てきた言葉があります。

「次はトライアスロンに出たい!」

それは、ただの感想ではなく、“自分の可能性を自分で信じてみたくなった”という、本気の意志表明でした。

だからこそ、これからも私たちは、 「きっかけを届ける存在」であり続けたい。


ミンナにとっても、ボランティアにとっても、そして社会全体にとっても、「挑戦してよかった」「またやってみたい」と思える経験を、これからも積み重ねていきます。


株式会社ミンナのミカタHD 代表取締役 兼子 紘子


木村さん今回もありがとうございました!またよろしくおねがいします!

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